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Sweden Now

北欧の国、スウェーデンの情報を流していきます。北欧ブームで注目されているスウェーデンですが、イギリスやフランスなどと比べるとマイナーで、かつ日本からの直行便もないためスウェーデンの本当の姿はあまり知ることができません。「世界一美しい首都」であるストックホルム、豊かな自然、高福祉高負担な政策など、日本とは異なった性格を持つスウェーデンを現地からお伝えいたします。

山田、悪者になる

山田がいなくなって、今日で3日が経った。現在、うちの会社は僕を含めて社員三人。社長のトシは結構出かけることが多いから、会社内にはあーちゃんと僕の二人だけになることが多い。あーちゃんも僕も、一刻も早くこの会社を辞めたいと思っていながら、お互いに公には話していない。それゆえ、どことなくお互いに気を使っているので、会社は静かになってちょっと寂しい。

山田が会社を辞めた日、さすがに社長のトシも落ち込んでいた。昼食を食べ終え、山田が去った後に、「僕の能力不足かな」と反省していた。

外部の業者や代理店と主に取引をしていたのは山田であり、山田も退職時には主な業者には連絡したらしい。今日来た業者も、突然の山田の退職に驚いていた。
業者「山田さんが退職されたと聞いたのですが。」
社長「ええ、ちょっと能力不足で・・・山田さんの。辞めてもらいました。」

社長の言葉に驚いた。山田が辞めた時は、自分の能力不足と言っていたトシが、今では山田の能力不足で辞めたことになっているのだ。

一旦気持ちが切り替われば早いもので、そこからトシは山田の文句を言い続けていた。トシも承認したはずの、彼が注文した物品を使わないからと返品して「辞めてもらってよかった」と言い出した。

僕としては、山田は能力があり、彼がいたからこそ仕事は進んだと思っている。むしろ、トシがあまりに無能だったゆえにしょっちゅう衝突をしていた。山田がいなくなった今、トシに対するアンチがいなくなったことで仕事はスムーズに進んでいる。しかし、このまま進むと、確実に失敗することは僕にだってわかる。

しかし、僕はあえてトシにストップをかけようとはしない。僕はすぐにでもやめようと思っている身なのだ。会社がこの先潰れても、僕にとってはなんの問題もない。働いている分だけ、お金をもらえればそれでよいのだ。